中川用語集
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ウィーンの変位則  渦糸  渦管  渦管の強さ   渦線  渦相関法  渦度  渦度方程式 雲頂  雲底  運動エネルギー  運動方程式   運動量  運動量モーメント  雲量 

ウィーンの変位則(Wien's Displacement Law)
黒体は様々な波長の放射を射出するが、最大のエネルギーを射出する波長λmaxと黒体の温度Tは反比例し、その比例定数は2897μmKであることが知られている:

λmaxT=2897

これはウィーンの変位則と呼ばれており、プランクの関数の波長λでの微分が0になる条件を求めることにより導かれる。6000Kの太陽からの放射エネルギーのλmaxは、

λmax=2897/6000=0.48μm

の可視光領域であり、300Kの地球上の物質起源の放射エネルギーのλmaxは、

λmax=2897/300=9.6μm

の遠赤外域である。このため、気象学では太陽起源の放射を短波放射、地球起源の放射を長波放射と呼ぶ。

渦糸(vortex filament)
1つの渦管で渦管の強さを一定に保ったまま渦管の体積を0にした極限を渦糸 と呼ぶ。
渦管(vortex tube)
流体の流れの中に考えた閉曲線を通る全ての渦線により形成される管を渦管と呼ぶ。
渦管の強さ(intensity of vortex tube)
1つの渦管を一度だけ取り巻く閉曲線についての循環の大きさを渦管の強さと呼ぶ。
渦線(vortex line)
流体の流れの中に稠密的に分布している渦度ベクトルの包絡線を渦線と呼ぶ。
渦相関法(eddy-covariance method)
気流の速度uと物理量θの共分散u'θ'から気流uに運ばれる物理量uθの時間平均値を求める方法。気流uおよび量物理量θの瞬間値は、時間平均値u,θとそれからの偏差u',θ'の和として、それぞれ、

u=u+u'

θ=θ+θ'

と表されるので、両者の積uθは、

uθ=(u+u')(θ+θ')=uθ+u'θ+uθ'+u'θ'

と表記される。uθの時間平均を求めると、

uθ=+u'θ+uθ'+u'θ'

となるが、偏差の平均値はゼロであるので、

uθ=+u'θ'

となる。右辺第一項は平均流による平均物理量の輸送を表し、第二項は乱流による輸送を表す。
地表面近傍の鉛直流のように平均流がゼロと見なせる場合には、

uθ=u'θ'

である。狭義には、この場合に物理量の輸送量を求める方法を渦相関法と呼ぶ。

渦度(vorticity)
水平面上に展開した(x,y)直交座標系におけるx軸方向およびy軸方向の空気塊の速度を、それぞれ、uおよびvとする時、∂v/∂xと∂u/∂yの差を渦度と呼び、記号ζで表す。即ち、

ζ=∂v/∂x-∂u/∂y

である。鉛直渦度と呼ばれることもある。また、絶対渦度と区別する際には、相対渦度と呼ばれる。
最初に原点を囲み、頂点が軸上にある単位面積の正方形領域を占めていた空気塊が、1秒後にどのように運動すれば、ζ>0となるかを考えてみる。
x軸正側の頂点にある空気粒子は、原点から見て、∂x>0なので∂v>0、即ち、南風成分が原点より大きければ、ζ>0に貢献する。
x軸負側の頂点にある空気粒子は、原点から見て、∂x<0なので∂v<0、即ち、北風成分が原点より大きければ、ζ>0に貢献する。
y軸正側の頂点にある空気粒子は、原点から見て、∂y>0なので∂u>0、即ち、東風成分が原点より大きければ、ζ>0に貢献する。
y軸負側の頂点にある空気粒子は、原点から見て、∂y<0なので∂u>0、即ち、西風成分が原点より大きければ、ζ>0に貢献する。
即ち、ζ>0の場合、最初に原点の回りの正方形領域を占めていた空気塊は、1秒後もやはり、正方形領域を占めており、面積も1のままだが、原点の回りを左回りに回転する運動をしていることを意味している。このような運動を低気圧性の回転と言う。ζは原点の回りの平均回転角速度の2倍に相当し、空気塊のζの絶対値が大きいほど、低気圧性の回転が顕著であることを意味している。実際の気象現象においては、正の渦度は低気圧領域に現れ、低気圧の中心は正の渦度の集積の中心として認識できる。移動性低気圧中心部の相対渦度は20×10-5s-1を上回る程度である。
逆にζの値が負の場合、最初に原点の回りの正方形領域を占めていた空気塊は、1秒後もやはり、正方形領域を占めており、面積も1のままだが、原点の回りを右回りに回転する運動をしていることを意味している。このような運動を高気圧性の回転と言う。ζの絶対値が大きいほど、高気圧性の回転が顕著であることを意味している。実際の気象現象においては、負の渦度は高気圧領域に現れ、高気圧の中心は負の渦度の集積の中心として認識できる。
相対渦度ζは、シアー渦度ζsと曲率渦度ζcの和として説明されることがある。流線方向の速度をV、流線の曲率をR(進行方向左側に曲率中心がある場合をR>0とする)とすると、曲率渦度ζc

ζc=V/R

シアー渦度ζs

ζs=儼/儚

と表される。ここで、儼/儚は、シアー渦度は流線の右側の法線方向への速度の増加率を意味する。上記の相対渦度の定義式において、x軸を流線方向、y軸を法線方向とすると、∂v/∂xは流線の方向が変化するために生じる渦度、即ち、曲率渦度ζcを表し、-∂u/∂yは流線の法線方向に速度差(シアー)が存在するために生じる渦度、即ち、シアー渦度ζsを表す。

渦度方程式(vorticity equation)
鉛直渦度ζの局所変化∂ζ/∂tを説明する方程式。
水平方向の運動方程式は

-1/ρ(∂p/∂x)+fv=du/dt

-1/ρ(∂p/∂y)-fu=dv/dt

と表される。ここで、ρ;密度、p;気圧、f;コリオリのパラメータ(=2Ωsinφ)、Ω;地球の回転角速度、φ;緯度である。両式右辺の加速度をオイラー流に表現すると

∂u/∂t+u∂u/∂x+v∂u/∂y+w∂u/∂z-fv=-1/ρ(∂p/∂x)     式(1)

∂v/∂t+u∂v/∂x+v∂v/∂y+w∂v/∂z+fu=-1/ρ(∂p/∂y)     式(2)

である。式(2)をxで偏微分すると

∂(∂v/∂x)/∂t+∂u/∂x∂v/∂x+u∂2v/∂x2+∂v/∂x∂v/∂y+v∂(∂v/∂y)/∂x+∂w/∂x∂v/∂z+w∂(∂v/∂z)/∂x+u∂f/∂x+f∂u/∂x=1/ρ2∂ρ/∂x∂p/∂y-1/ρ∂(∂p/∂y)/∂x                                                                 式(3)

が得られ、式(1)をyで偏微分すると

∂(∂u/∂y)/∂t+∂u/∂y∂u/∂x+u∂(∂u/∂x)/∂y+∂v/∂y∂u/∂y+v∂2u/∂y2+∂w/∂y∂u/∂z+w∂(∂u/∂z)/∂y-v∂f/∂y-f∂v/∂y=1/ρ2∂ρ/∂y∂p/∂x-1/ρ∂(∂p/∂x)/∂y                                                                 式(4)

が得られるので、式(3)から式(4)を引いて

∂(∂v/∂x-∂u/∂y)/∂+u∂(∂v/∂x-∂u/∂y)/∂x+v∂(∂v/∂x-∂u/∂y)/∂y+w∂(∂v/∂x-∂u/∂y)/∂z+u∂f/∂x+v∂f/∂y+(∂v/∂x-∂u/∂y)(∂u/∂x+∂v/∂y)+f(∂u/∂x+∂v/∂y)+(∂w/∂x∂v/∂z-∂w/∂y∂u/∂z)=1/ρ2(∂ρ/∂x∂p/∂y-∂ρ/∂y∂p/∂x)

が得られる。ここで、

ζ=∂v/∂x-∂u/∂y      :鉛直渦度  

D =∂u/∂x+∂v/∂y      :水平発散

であるから、上式は、

∂ζ/∂t+u∂ζ/∂x+v∂ζ/∂y+w∂ζ/∂z+u∂f/∂x+v∂f/∂y+ζD+fD+(∂w/∂x∂v/∂z-∂w/∂y∂u/∂z)=1/ρ2(∂ρ/∂x∂p/∂y-∂ρ/∂y∂p/∂x)

と表記でき、更に、

∂ζ/∂t+v・∇(ζ+f)+(ζ+f)D+(∂w/∂x∂v/∂z-∂w/∂y∂u/∂z)=1/ρ2(∂ρ/∂x∂p/∂y-∂ρ/∂y∂p/∂x)

と整理できる。ここで、v;水平風ベクトルである。この式を渦度の局所変化∂ζ/∂tについて解くと、

∂ζ/∂t=-v・∇(ζ+f)-(ζ+f)D-(∂w/∂x∂v/∂z-∂w/∂y∂u/∂z)+1/ρ2(∂ρ/∂x∂p/∂y-∂ρ/∂y∂p/∂x)

という表現が得られる。この式は、渦度の局所変化∂ζ/∂tが上式右辺によって決まることを示す式であり、渦度方程式と呼ばれる。本式右辺は4項から成っている。
第1項 -v・∇(ζ+f)は、絶対渦度ζ+fの風上からの移流により渦度が増加することを意味する。惑星渦度fは緯度だけの関数だから-v・∇f=-βvと表現できる。ここで、β=∂f/∂yである。相対渦度ζは風上から移流されてくるとしか言い様がないが、惑星渦度fは北風の場合には増加し、南風の場合には減少する。
第2項 -(ζ+f)Dは、収束により渦度が増加することを意味する。
第3項 -(∂w/∂x∂v/∂z-∂w/∂y∂u/∂z)は、渦管の立ち上がり項と呼ばれる。水平風速は地表面に近づくほど小さくなっているので、地表面付近には軸が地表面に平行な水平渦が存在するのが一般的である。その水平渦を上限に移動させる鉛直風速に水平シアーが存在すると、水平渦の片方だけが持ち上げられ、渦管が立ち上がるため、鉛直軸周りの鉛直渦の強度が変化する。
第4項 1/ρ2(∂ρ/∂x∂p/∂y-∂ρ/∂y∂p/∂x)は、ソレノイド項(傾圧項)と呼ばれる。密度が増加する方向から気圧が増加する方向の循環が強化され、その方向が反時計周りの場合には渦度が増加することを意味する。気圧の谷の西側に気温の谷が存在する場合、気温の谷の後面に位置する気圧の谷では密度が大きくなる方向は北西方向であり、気圧が大きくなる方向は真南の方向であるから、密度が増加する方向から気圧が増加する方向の循環は反時計周り(低気圧性)となり気圧の谷はより発達する。気圧の谷の東側に気温の谷がある場合には、この逆なので、気圧の谷は衰弱する。

雲頂(cloud top)
雲の上端。安定層(逆転層)が存在し、周囲の大気の温位と雲内の相当温位が等しいため、雲内を上昇する飽和気塊が浮力を失っている部分。安定層(逆転層)は雲頂における放射冷却により強化されている。
雲底(cloud base)
雲の下端。持上げ凝結高度を超えた上昇気流が水蒸気により飽和して雲粒子を形成して雲底が形成される。
運動エネルギー(kinetic energy)
座標系に対して速度で運動している質量mの物体が持つ物理量(1/2)mv2を運動エネルギーと呼び、Ekと表記する。即ち、
Ek=(1/2)mv2

である。上式の右辺を変形すると、

Ek=(1/2)mv2=mv(0+)/2=m(v/冲){(0+)/2}冲=F・s

となり、

Ek=F・s

となることが示される。ここで、F;力(=m(v/冲))、t;微小時間、s;微小距離(={(0+)/2}冲)であり、F・sは仕事を表す。つまり、運動エネルギーは、静止状態から速度vの状態になるまでに物体が受ける仕事の大きさ、または、速度の状態の物体が静止状態ななるためにされる仕事の大きさ、を意味する。
気象学では単位質量の空気塊を考察の対象とするので、常にm=1だから、運動エネルギーは(1/2)v2に等しくなる。

運動方程式(equation of atmospheric motion)
単位質量の空気塊に働く真の力をFとすると、気象観測の結果得られる加速度dv/dtとの関係は、次式のように表される。

F-2Ωxv-Ωx(Ωxr)=dv/dt

この式を大気の運動方程式と呼ぶ。大気の運動方程式左辺第2項の-2Ωxvはコリオリの力、第3項の-Ωx(Ωxr)は遠心力と呼ばれ、ともに加速度dv/dtを見積もる際に使用されている局所直交座座標系がニュートン力学が要求している慣性座標系ではないことに起因する加速度の不正確さを補正するために導入された実際には存在しない見かけの力である。大気の運動方程式左辺第1項の真の力Fとしては、地球の引力ga、気圧傾度力-1/ρ∇pおよび摩擦力Frの3力が存在するので、大気の運動方程式は、

ga-1/ρ∇p+Fr-2Ωxv-Ωx(Ωxr)=dv/dt

とも記載される。さらに、上式左辺第1項の引力gaと第3項の遠心力-Ωx(Ωxr)の合力を重力と表記し、

-1/ρ∇p+g+Fr-2Ωxv=dv/dt

を大気の運動方程式と呼ぶことが多い。つまり、大気の運動は、気圧傾度力-1/ρ∇p、重力g、コリオリの力-2Ωxvおよび摩擦力Frの4力の合力が0ではないときに加速度を生じ、風速が変化する、ということを意味している。
上式の大気の運動方程式はベクトル方程式なので、これを局所直交座標系3軸方向のスカラー方程式に書き直すと、

-1/ρ(∂p/∂x)+Frx+2vΩsinφ-2wΩcosφ=du/dt

-1/ρ(∂p/∂y)+Fry-2uΩsinφ=dv/dt

-1/ρ(∂p/∂z)-g+Frz+2uΩcosφ=dw/dt

となる。ここで、u,v,w:風ベクトルvのx,y,z成分、Frx,Fry,Frz:摩擦力Frのx,y,z成分、-g:重力のx成分、2Ωcosφ,2Ωsinφ:地球の回転ベクトルΩのy,z成分、Ω:地球の回転角速度(7.292×10-5rad/s)である。上記3式において重力の成分がz軸方向にしか存在しないのは、z軸を重力線の方向に設定するからである。さらに、一般の気象現象においては静水圧平衡が成り立っているので、地球の回転ベクトルΩのy成分を無視するとともに鉛直方向の加速度を無視し、大気の運動方程式は、

-1/ρ(∂p/∂x)+Frx+2vΩsinφ=du/dt

-1/ρ(∂p/∂y)+Fry-2uΩsinφ=dv/dt

-1/ρ(∂p/∂z)-g+Frz=0

と表記する。摩擦力Frは地表面と地表面に接している空気塊の間および地表面近傍の空気塊とそのすぐ上の空気塊の間において作用するので、地表面から充分離れた上層の自由大気中では摩擦力Frは無視できる。このため、自由大気の運動方程式は、

-1/ρ(∂p/∂x)+2vΩsinφ=du/dt

-1/ρ(∂p/∂y)-2uΩsinφ=dv/dt

-1/ρ(∂p/∂z)-g=0

となり、自由大気では上下方向には気圧傾度力-1/ρ∇pと重力gが常につりあい、水平方向の運動状態は気圧傾度力-1/ρ∇pとコリオリの力-2Ωxvがバランスしていない場合のみに変化する、ことを意味する。つまり、自由大気においては、水平方向も鉛直方向も大気には2力が作用している、として議論できる。

運動量(momentum)
座標系に対して速度で運動している質量mの物体が持つ物理量mvを運動量と呼び、pと表記する。即ち、

p=mv

である。物体に外力が作用しない限り当該物体の運動量は保存され、外力が作用する時の当該物体の運動量の時間変化率は作用する外力に等しい、という法則が存在し、ニュートンの第二運動法則と呼ばれる。同法則を数式で表現すると、

F=mdv/dt

となり、運動方程式と呼ばれる。運動方程式を時間t1〜t2の間積分すると、

F冲=mv2-mv1

となる。上式左辺F冲は力積と呼ばれる。上式から明らかなように、力積は2つの時間の間の運動量の差である。つまり、物体に一定時間力が作用すると、その間の力積に等しい大きさだけ雲量量が増加する。
気象学では単位質量の空気塊を考察の対象とするので、常にm=1だから、運動量は風速に等しくなる。

運動量モーメント(moment of momentum
 質点の位置ベクトルrと運動量ベクトルmの外積r×mを運動量モーメントと呼び、ベクトルLと表記される。角運動量とも呼ばれる。運動量モーメントL=r×mは、位置ベクトルrと運動量ベクトルmの両方に垂直で、これに平行に置いた右ネジを位置ベクトルrが向いている方向から運動量ベクトルmが向いている方向へ回転させた時当該の右ネジが進む方向を向き、大きさは位置ベクトルrと運動量ベクトルmを2辺とする平行四辺形の面積に等しいベクトルである。つまり、位置ベクトルrと運動量ベクトルmの成す角をθとおくと、運動量モーメントr×mの大きさは、

|r||m|sinθ

と表される。さらに、

|r|=r

|m|=mv

とすると、運動量モーメントr×mの大きさは、

rmv sinθ

と表現できる。即ち、運動量モーメントr×mの大きさは、位置ベクトルrの大きさrと位置ベクトルrに垂直な運動量ベクトルmの成分mv sinθという2つのスカラーの積で表される。
 運動量モーメントr×mの時間変化率を求めると、dr/dt×=0 を考慮すれば、

d(r×m)/dt=dr/dt×m+r×dm/dt=r×dm/dt=r×F

となる。即ち、トルク方程式

d(r×m)/dt=r×F

が成り立つ。この式は、物体に力のモーメントr×Fが作用しない限り当該物体の運動量モーメントr×mは保存され、力のモーメントr×Fが作用する時の当該物体の運動量モーメントr×mの時間変化率は作用する力のモーメントr×Fに等しい、ことを意味しており、運動量保存則と呼ばれる。
 剛体が回転している場合、回転の中心(回転軸)からの位置ベクトルrの大きさrは一定である。位置ベクトルrの回転角速度ベクトルをωとすると、

v=ω×r

なので、ベクトル3重積の公式を利用し、かつ、rω=0 を考慮すれば、トルク方程式は、

r×F=d(mr×ω×r)/dt=md{ω(rr)-r(rω)}/dt=mr2dω/dt

と表せる。ここで、mr2;慣性モーメント、dω/dt;角加速度ベクトルである。即ち、質点に力のモーメントr×Fが作用すると質点に角加速度dω/dtが発生し質点の角速度ωが変化する。作用する力のモーメントr×Fは、慣性モーメントmr2と質点に発生する角加速度dω/dtの積に等しく、同じ力のモーメントr×Fが作用しても質点に生じる角加速度dω/dtは質点によって異なる。この式の比例定数mr2は、質量mに対する回転の中心の回りの2次モーメントであり、このモーメントの値が大きいとトルクが掛かっても角速度ωの変化が起こりにくくそれまでの回転状態を持続しようとする性質(慣性)が強いことを意味するので、慣性モーメントと呼ばれる。
雲量(cloud amount, cloudiness)
全天立体角に対する雲の立体角の割合。全天立体角を10として表した場合には10分位(decimal)雲量と言い、全天立体角を8として表す場合には8分位(octas)雲量と言う。一般に雲量と言うと、全天の雲の総量に対する雲量、全雲量を指す場合が多いが、雲種別に雲量が示されることもある。降水等の大気現象が存在しない場合には、全雲量により天気を区分し、全雲量0〜1を快晴、全雲量2〜8を晴、全雲量9〜10を曇と言う。

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