力学平均太陽(dynamical mean sun)
黄道上を真太陽の公転周期と全く同一の公転周期で等速で公転する仮想の太陽を力学平均太陽と呼ぶ。通常、平均太陽という場合は力学平均太陽ではなく、黄道上の真太陽の公転周期と全く同一の公転周期で天の赤道上を等速で公転する仮想の太陽を指す。真太陽、平均太陽および力学平均太陽は、同時に春分点に位置する。
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流管(stream tube)
流体の流れの中に考えた閉曲線を通る全ての流線により形成される管を流管と呼ぶ。
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流跡線(trajectory)
流体の流れの中の特定の塊の移動経路を表わす線を流跡線と呼ぶ。流れが定常的な場合は、流跡線は流線と一致する。
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流線(streamline)
流体の流れの中に稠密的に分布している速度ベクトルの包絡線を流線と呼ぶ。
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流束(flux)
単位時間にある面を垂直に通過する物理量を流束と呼ぶ。この理屈だと物理量が放射の場合は放射流束(radiant
flux)ということになるが、この場合は、放射フラックスと呼ぶのが一般的である。
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流束密度(flux density)
単位時間に単位面積を垂直に通過する物理量を流束密度とよぶ。この理屈だと物理量が放射の場合は放射流束密度(radiant
flux
density)ということになるが、この場合は、放射フラックス密度と呼ぶのが一般的である。
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流量(flow, discharge)
単位時間に流体の流れに直角方向の断面を通過する流体の体積を流量と呼び、m3/s単位で表す。
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理想気体(ideal gas)
どんな場合にも状態方程式
pv=(n/m)R*T
が成り立つ理想的な気体(即ち、実在しない仮想の気体)を理想気体と呼ぶ。ここで、p;気圧(Pa)、v;体積(m3)、n;存在する空気の質量(kg)、m;分子量(28.966)、R*;普遍気体定数(8134J/K)、T;絶対温度(K)である。実在気体real
gasの状態は理想気体の状態方程式から一部でわずかにずれるが、そのずれはわずかであるので、気象学は、地球空気を構成するすべての気体(乾燥空気、水蒸気)を理想気体とみなして理論を構築している。
最も顕著な理想気体の状態方程式の実在気体からの解離は、気相・液相共存域や臨界点を表現できない点である。この解離を解消させて理想気体の状態方程式を実在気体の状態方程式に近づける一つの試みとして、ファン・デル・ワースの状態方程式
(p+a/v2)(v-b)=(n/m)R*T
が挙げられる。ここで、a, bは実験係数である。ファン・デル・ワースの状態方程式を用いると、臨界点の温度Tc、圧力pc、体積vcは、それぞれ、
Tc=8a/(27bR)
pc=a/(27b2)
vc=3b
となることが知られている。また、臨海温度以下におけるp-v図上の等温線は気相・液相共存域で横につぶれたS字状にを示すので、この部分を平均的な横線で置き換えることが行われる。
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リーフ雲(leaf
cloud)
中緯度低気圧の発達過程の初期に、ジェット気流の谷の東側に出現する境界が明瞭な鉛直方向に発達した厚い木の葉状の雲システム。
リーフ雲は、ジェット気流が押してくるため極側の西縁ないし南西縁に曲率のある切れ込み(ノッチ)を持つ、平滑化されたS字形をしている。雲頂の最高はリーフ雲の東部にあり、雲頂高度は西ほど低く、リーフ雲の西部には中層雲を伴う。寒冷前線がリーフ雲の東縁に沿って存在する。リーフ雲の回転が強くなるのに従って、低気圧は発達し、リーフ雲はコンマ雲に形状が変化する。
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