乾球温度・湿球温度による水蒸気圧の計算
水蒸気圧は、乾球湿球温度計の測定値を湿度計方程式に与えて、求めることが出来ます。気圧Pの状態において、乾球湿球温度計の乾球温度計で計測された水蒸気圧の空気が、水を含ませたガーゼの網目を通過する時に加湿され飽和に達した後に、湿球温度計により再度計測されます。乾球温度計で計測される気温を乾球温度Td、湿球温度計で計測される気温を湿球温度Twと言います。湿球温度計の周りの空気の水蒸気圧は湿球温度Twにおける飽和水蒸気圧E(Tw)に等しいので、ガーゼの網目通過による比湿の増加量は、0.622{E(Tw)-e}/Pと表現出来ます。この比湿増加のために0.622L(Tw){E(Tw)-e}/Pの潜熱が必要ですが、その熱源は加湿される空気自身です。ガーゼの網目通過による気温の降下量は乾球湿球温度差Td-Twにより認識できます。気温降下量Td-Twに 空気の定積比熱Cpを掛ければ空気のガーゼを通過した空気が失った顕熱Cp(Td-Tw)を求めることができます。エネルギー保存の法則から、空気の加湿に要した潜熱と空気が失った顕熱は等しくなくてはなりません。つまり、次の等式が成り立ちます。

0.622L(Tw){E(Tw)-e}/P=Cp(Td-Tw)

この式をeについて解くと次式になります。

e=E(Tw)-[CpP/{0.622L(Tw)}](Td-Tw)

この式は、湿度計方程式と呼ばれており、既知の気圧P、気温(乾球温度)Td、湿球温度Twから水蒸気圧eを求める基本原理です。CpP/{0.622L(Tw)は乾湿計定数と呼ばれています。現在では、露天温度計や各種の湿度センターによる観測が一般的ですが、これらの測定値の精度は、乾球湿球温度計観測値を用いて湿度計方程式により得られる値と比較して確認されます。

条件設定

乾球温度を指定して下さい
湿球温度を指定して下さい
気圧を指定して下さいhPa

計算結果の表示

湿球温度℃での飽和水蒸気圧はhPaで
            乾球湿球温度差は
               乾湿計定数はhPa/Kなので
 水蒸気圧は-×=hPaです
乾球温度℃での飽和水蒸気圧はhPaなので
   相対湿度は/×100=%です

計算条件を設定しなおして計算実行ボタンを押せば何度でも計算できます。



掲示者 中川清隆@立正大学地球環境科学部環境システム学科