仮温度の計算
気象学では、空気中に水蒸気が含まれている効果を、仮温度を用いて表現します。仮という漢字はvirtualという英語の学術用語に対して用いられている邦語です。現在ならば、仮想温度と表現されるであろう用語です。
実際に測定される気温Tの代わりに、含まれる水蒸気の量に応じて実際の気温より高温にした温度Tvを用いると、乾燥空気用に求められた諸法則を水蒸気を含む空気(湿潤空気)にそのまま適用できます。つまり、湿潤空気はそれより若干高温な乾燥空気と全く同じように振舞います。
仮温度Tvは、以下のように定義されています。

    Tv=T{1+(1/0.622)nw/nd}/(1+nw/nd)

ここで、nw/ndは水蒸気の質量と乾燥空気の質量に比です。上式から、Tv>Tは明らかです。
nw/ndは、比湿qや混合比xが既知であれば、それぞれ、

    nw/nd=q/(1000-q)

    nw/nd=x/1000

として求めることが可能です。
比湿qや混合比xは、いずれも、気圧p(hPa)と水蒸気圧e(hPa)から求めることができます。

    q=622e/(p-0.378e)

    x=622e/(p-e)


条件設定

気圧を指定して下さい   hPa
気温を指定して下さい   
水蒸気圧を指定して下さいhPa

計算結果の表示

比湿は  g/kg
混合比は g/kg
絶対湿度はg/m^3です
仮温度はK(摂氏目盛では℃)で
         仮温度-気温は℃です

計算条件を設定しなおして計算実行ボタンを押せば何度でも計算できます。

定義通りだと温位の単位はKですが、摂氏の単位(℃)で表現する文献もあります。


掲示者 中川清隆@立正大学地球環境科学部環境システム学科