日本における分布

 
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はじめに:宝石珊瑚とは
宝石サンゴの生物学
宝石サンゴの利用の歴史
宝石サンゴの種類と漁業
日本における分布
宝石サンゴの化学:骨軸の微量成分と生息場所
バイオミネラリゼーション
宝石サンゴの成長速度:鉛-210による推定
宝石サンゴ骨軸の構造
骨軸の化学分析から生息水温を推定する
宝石サンゴの系統分類
アカサンゴの成熟時期
宝石サンゴを増やす試み
珊瑚網の影響
宝石サンゴを持続的に利用するために
研究の成果:書籍、論文など
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  相模湾以南の日本近海水深100-300mにはアカサンゴ、モモイロサンゴ、シロサンゴが分布し、高知、鹿児島、沖縄で珊瑚漁が行われています。それらの分布密度を明らかにするために2009年から水中ロボット(ROV)を用いて高知、鹿児島、沖縄近海約20カ所で調査を行ってきました(図1)。その結果、宝石サンゴ3種の分布密度は平均0.74 群体/100㎡であることが明らかになりました。それらのうち最も商品価値の高いアカサンゴの平均密度は、0.45 群体/100㎡です。
 土佐湾で宝石サンゴの操業区と禁漁区を調査したところ、禁漁区の宝石サンゴは操業区のものに比べて大きく、分布密度も高いことが明らかになりました。宝石サンゴ資源を保護するためには禁漁区の設定が有効であることが確認できました。 (立正大学 岩崎望)

文献
●Iwasaki. N., Fujita. T., Bavestrello. G. and Cattaneo-Vietti. R., 2012. Morphometry and population structure of non-harvested and harvested populations of the Japanese red coral (Paracorallium japonicum) off Amami Island. southern Japan. Marine and Freshwater Research, 51 (3). 372-382.

 

水中ロボット
図1 水中ロボット(ROV)による分布調査:ROVによる観察範囲とアカサンゴの位置(黒点)(Iwasaki et al 2012)