八放サンゴ亜綱ヤギ目サンゴ科2属30余種のうち、 宝石として利用されるのは未記載種を含む8種です(表1)。 現在の主な漁獲海域は、地中海、日本(高知、 鹿児島、 沖縄)及び台湾近海です。
地中海では、ベニサンゴがスキューバダイビングにより漁獲されています。日本及び台湾近海では、アカサンゴ、モモイロサンゴ、シロサンゴが珊瑚網及び水中ロボットにより漁獲されています(図1−3)。ミッドウェー及びハワイ近海では、1960年代半ばから珊瑚漁が始まりましたが、現在は採算割れのため漁獲されていません。
宝石サンゴの類似品としては、以下のものが流通しています。
・イソバナ類(八放サンゴ亜綱):骨軸は赤く、多孔質です。アップルコーラス、スポンジコーラルとして流通しています。
・トクササンゴ類(八放サンゴ亜綱):骨軸は白く、角質の黒い節があります。赤く染色され、山珊瑚やバンブーコーラルとして流通しています。特に、チベットなどでは装身具や装飾品に多用されています。
・ウミカラマツの仲間(六放サンゴ亜綱):骨軸は黒い角質であり、黒珊瑚として流通しています。(立正大学 岩崎望)
|