宝石サンゴの種類と漁業

 
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はじめに:宝石珊瑚とは
宝石サンゴの生物学
宝石サンゴの利用の歴史
宝石サンゴの種類と漁業
日本における分布
宝石サンゴの化学:骨軸の微量成分と生息場所
バイオミネラリゼーション
宝石サンゴの成長速度:鉛-210による推定
宝石サンゴ骨軸の構造
骨軸の化学分析から生息水温を推定する
宝石サンゴの系統分類
アカサンゴの成熟時期
宝石サンゴを増やす試み
珊瑚網の影響
宝石サンゴを持続的に利用するために
研究の成果:書籍、論文など
研究組織
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 八放サンゴ亜綱ヤギ目サンゴ科2属30余種のうち、 宝石として利用されるのは未記載種を含む8種です(表1)。 現在の主な漁獲海域は、地中海、日本(高知、 鹿児島、 沖縄)及び台湾近海です。
 地中海では、ベニサンゴがスキューバダイビングにより漁獲されています。日本及び台湾近海では、アカサンゴ、モモイロサンゴ、シロサンゴが珊瑚網及び水中ロボットにより漁獲されています(図1−3)。ミッドウェー及びハワイ近海では、1960年代半ばから珊瑚漁が始まりましたが、現在は採算割れのため漁獲されていません。

 宝石サンゴの類似品としては、以下のものが流通しています。
 ・イソバナ類(八放サンゴ亜綱):骨軸は赤く、多孔質です。アップルコーラス、スポンジコーラルとして流通しています。
 ・トクササンゴ類(八放サンゴ亜綱):骨軸は白く、角質の黒い節があります。赤く染色され、山珊瑚やバンブーコーラルとして流通しています。特に、チベットなどでは装身具や装飾品に多用されています。
 ・ウミカラマツの仲間(六放サンゴ亜綱):骨軸は黒い角質であり、黒珊瑚として流通しています。(立正大学 岩崎望)

 

珊瑚の種類
アカサンゴ
図1 鹿児島産アカサンゴ、
横幅約38cm
モモイロサンゴ
図2 鹿児島産モモイロサンゴ、
横幅約38cm
シロサンゴ
図3 高知産シロサンゴ、
横幅約27cm