宝石サンゴは宝飾品として利用されているだけでなく、宝物の象徴として絵画や物語に登場し、私たちの生活を豊かにしています。この宝石サンゴを持続的に漁獲するために以下のことを提案します。
1.選択的漁獲と休漁期間の設置またはローテーション漁業
奄美近海におけるアカサンゴ群体の年齢構成を調査した結果、操業後に少なくとも10−20年の休漁期間を置くことでアカンゴが漁獲サイズまで成長することが明らかになりました(図1)。資源の持続的な利用を図るためには、水中ロボットなど宝石サンゴを選んで採取できる方法で一定の大きさのものを漁獲すること、かつ操業後少なくとも10−20年間の休漁期間をおくことが必要です。または操業海域をいくつかの区画に分け、輪番で操業する方法も有効です。
2.宝石サンゴ資源を保全するためには、高密度に分布する海域や遺伝的多様性が高い海域を禁漁とすることが必要です。
3.幼生の加入を保証するためには、繁殖期間を禁漁にすることが必要です。高知県では2012年3月から、土佐湾の宝石サンゴの繁殖期間である6−7月が新たに禁漁期間となりました。
(立正大学 岩崎望)
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