宝石サンゴは、日本が世界に誇ることができる水産資源の一つです。
日本近海は宝石サンゴを産する数少ない漁場の一つであり、
日本産のものは高い品質を誇っています。
近年宝石サンゴ資源の枯渇が懸念され、国際的な商取引の規制が2008年から開始されました。
宝石サンゴを持続的に利用することは喫緊の課題となっています。
そのために必要な研究を
農林水産省「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業」により行いました。
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はじめに:宝石サンゴとは
宝石サンゴの生物学
宝石サンゴの利用の歴史
宝石サンゴの種類と漁業
日本における分布
宝石サンゴの化学:骨軸の微量成分と生息場所
バイオミネラリゼーション
宝石サンゴの成長速度:鉛-210による推定
宝石サンゴ骨軸の構造
骨軸の化学分析から生息水温を推定する
宝石サンゴの系統分類
アカサンゴの成熟時期
宝石サンゴを増やす試み
珊瑚網の影響
宝石サンゴを持続的に利用するために
研究の成果:書籍、論文など
研究組織
 
宝 石 サ ン ゴ と は  刺胞動物の仲間で骨格を持つものを「サンゴ」と呼び、その中で骨格が宝飾品に用いられるものを宝石サンゴと呼びます。宝石サンゴは八放サンゴ亜綱ヤギ目サンゴ科に属しており、未記載種を含む8種が利用されています。それらは地中海、日本・台湾近海、ミッドウエー・ハワイ近海に分布しています。日本近海では相模湾以南の水深100mから300mの海底にアカサンゴ、モモイロサンゴ、シロサンゴが生息しており、高知、鹿児島、沖縄で漁獲されています。なお、浅海域で珊瑚礁を形成するサンゴの多くは六放サンゴ亜綱に属し、宝石サンゴとは分類も生態も異なります。