第10回環境気象学コロキウムを開催(7月9日)
下記の通り、第10回環境気象学コロキウムを開催致します。今回の話題提供者は、浜田 崇さんです。浜田さんは長野県環境保全研究所の研究員で、都市規模から地球温暖化に関することまで幅広く研究されております。学部1年生から大学院生まで気象学に興味をお持ちの方は、ぜひご参加ください。
開催日:2014年7月9日(水)17:50〜19:00 ※60分程度
会場:アカデミックキューブ4階415室
話題提供者:浜田 崇 氏(長野県環境保全研究所 研究員)
タイトル:木曽駒ヶ岳におけるハイマツ年枝長と気温との対応関係
高山帯の生態系は地球温暖化などの気候変動に対して脆弱であるといわれている.気候変動が高山生態系に及ぼす影響を把握するためには,高山帯における気候変動の実態把握がまず不可欠である.しかし,日本の山岳地では長期間にわたり観測されている気象データはほとんど存在しない.そのため,さまざまな資料や代替データなどを組み合わせることで過去の気候変動の復元を行う必要がある.
本研究では,中央アルプス木曽駒ヶ岳において得られたハイマツの年枝の成長量データを用いて,過去約30年間における気温との対応関係について調べた.その結果,両者には正の相関がみられたことから,ハイマツの年枝長の計測により,夏季の気温をある程度復元できる可能性が示唆された.